自分でやる墓じまい9ステップ!費用の節約幅まで正直に解説
自分でどこまでできるかというと、書類・手続き・調整はすべて自分で進められると言われています。一方で、墓石の解体工事と遺骨の取り出しについては、専門の技術が必要なため業者に依頼する領域になります。
業者や代行に頼むと高くつきそうで、できるだけ節約したいけれど、何が自分でできて何ができないのか分からない、という方は少なくないようです。まずは線引きをはっきりさせてから、実際の9ステップと費用の節約幅を見ていきましょう。
自分でできる墓じまいの範囲【結論:解体と取り出しは業者領域】
墓じまいの作業を大きく分けると、「書類・手続き・調整」と「墓石の解体・遺骨の取り出し」の2種類になります。前者は自分で進めることができ、後者は専門の技術や資格が必要なため、石材店などの業者に依頼するのが一般的です。
- 自分でできる:親族への相談、墓地管理者への連絡、改葬先の確保、行政手続き、お寺との調整
- 業者に依頼する:墓石の解体・撤去工事、遺骨の取り出し、更地への整地
つまり、費用を節約したいのであれば、書類集めや連絡といった「動けば減らせる部分」を自分で担い、専門技術が必要な解体・取り出しだけを業者に任せるのが現実的な進め方だと言われています。次の章では、この考え方をもとにした9つのステップを順番にご紹介します。
自分でやる墓じまい9ステップ
自分でやる墓じまいは、次の9つのステップで進みます。それぞれに「自分でやる場合のコツ」を添えていますので、順番に確認してみてください。
- 親族へ相談する
- 墓地管理者へ相談する
- 改葬先を確保する
- 受入証明書を取得する
- 自治体の窓口で改葬許可を申請する
- 閉眼供養を依頼する
- 石材店を相見積もりで手配する
- 撤去して更地で返還する
- 新しい供養先へ納骨する
9つと聞くと多く感じるかもしれませんが、一つひとつは電話や窓口での確認が中心です。順番に進めれば、専門知識がなくても対応できると言われています。
ステップ1:親族へ相談する
最初にすることは、墓じまいを考えていると親族へ伝えることです。工事や手続きより前に、ここを済ませておくと後が楽になります。
コツは、結論を急がず「まず相談したい」という姿勢で切り出すことです。決定事項として伝えると、反発を招きやすいと言われています。
伝える相手は、お墓に入っている方の子や兄弟姉妹など、日ごろお参りしている親族が中心になります。範囲に迷うときは広めに声をかけます。
理由は「管理が難しくなってきた」「次の世代に負担を残したくない」といった、自分の状況として話すと受け止められやすくなります。
祭祀承継や相続がからむ個別の事情は、専門家に相談する方が確かです。判断に迷う点は、無理に自分で結論を出さなくて構いません。
ステップ2:墓地管理者へ相談する
次に、お寺や霊園の管理者へ、墓じまいを検討していると伝えます。工事の話ではなく、相談として切り出すのが穏やかな進め方です。
コツは、感謝の言葉を添えることです。これまで供養していただいたお礼から入ると、その後のやり取りが進めやすくなると言われています。
この場で、埋葬証明書の発行方法や、指定の石材店があるかどうかも確かめておきます。あとの手順が大きく変わる項目です。
寺院墓地の場合は、離檀の話にもつながります。離檀料について、一般に法的な支払い義務はないと解説されることが多いようです。
金額の慣習は寺院により異なります。提示された額に迷うときは、その場で即答せず、持ち帰って考える姿勢で構いません。
ステップ3:改葬先を確保する
遺骨を移す新しい供養先を決めて契約します。改葬許可を申請するには受入先が決まっている必要があるため、ここを先に固めます。
コツは、複数の候補を見学してから決めることです。写真や資料だけでは、通いやすさや雰囲気まで分かりにくいと言われています。
選択肢は、永代供養墓、樹木葬、納骨堂、散骨などがあります。費用の目安は形式ごとに幅があり、寺院・霊園・自治体により異なります。
お墓から出てくる遺骨の体数も先に把握しておきます。体数によって必要な区画や総額が変わるためです。
見学のときは、年間管理費の有無と、個別安置から合祀へ移る時期を確かめておくと、あとの想定外を防ぎやすくなります。
ステップ4:受入証明書を取得する
改葬先が決まったら、その管理者に「受入証明書」を発行してもらいます。遺骨を受け入れる意思を示す書類で、改葬許可申請に添えます。
コツは、発行までの日数を早めに確認しておくことです。即日のところもあれば、数週間かかるところもあると言われています。
名称は「墓地使用許可証」「受入承諾書」など、施設によって異なります。呼び方が違っても役割は同じです。
自治体によっては、この書類の提出を求めない運用のところもあります。申請先の窓口に、必要かどうかを先に尋ねておくと確実です。
受け取った書類は、原本を大切に保管します。コピーで足りるかどうかも、窓口に確かめておきましょう。
ステップ5:自治体の窓口で改葬許可を申請する
お墓のある市区町村の窓口で、改葬許可証の交付を申請します。ここが自分でやる墓じまいの中心となる手続きです。
コツは、必要書類を事前に電話で確認してから出向くことです。様式や添付書類は自治体ごとに違い、一度で済むかどうかが変わります。
一般に必要なのは、改葬許可申請書、埋葬証明書、受入証明書の3点です。埋葬証明書は、現在の墓地管理者に記入してもらいます。
申請書は遺骨1体につき1枚必要な自治体が多いようです。体数が多い場合は、枚数を先に確かめておきましょう。
多くの自治体で郵送申請にも対応しています。平日に窓口へ行きにくい方は、この方法が使えるか尋ねてみてください。
ステップ6:閉眼供養を依頼する
墓石から魂を抜く「閉眼供養」を、お寺にお願いします。宗派によって呼び方は異なり、魂抜き、御霊抜きと呼ばれることもあります。
コツは、日程をお寺の都合に合わせて早めに相談することです。お盆やお彼岸など法要の多い時期は、予定が詰まりやすいと言われています。
解体工事の前に行うのが一般的な流れです。石材店の日程と合わせて調整すると、同じ日にまとめられることもあります。
お布施の目安は、一般に3万〜10万円程度と言われていますが、地域や寺院により異なります。迷うときは率直に尋ねて構いません。
当日は、施主とご家族が立ち会うのが通例です。服装は喪服でなくても、落ち着いた色合いの平服で問題ないとされています。
ステップ7:石材店を相見積もりで手配する
解体工事を依頼する石材店を選びます。この部分は資格と重機が要るため、自分で行う範囲ではなく、業者に任せる工程です。
コツは、複数社から見積もりを取り、内訳の書き方まで見比べることです。合計額だけでは、何が含まれるかが分かりません。
確かめたいのは、基礎の撤去、巻石の撤去、廃材の処分費が含まれているかです。「解体費」の一語で済んでいる見積書は要注意です。
費用の目安は、一般に1平方メートルあたり10万〜15万円程度と言われています。立地や重機の可否によって上下します。
寺院墓地では、指定石材店制度により依頼先が決まっていることがあります。ステップ2で確認済みなら、ここで迷わずに済みます。
ステップ8:撤去して更地で返還する
石材店が墓石を解体・撤去し、区画を更地に戻して管理者へ返還します。工事にかかる日数は、一般に1〜3日程度が目安です。
コツは、立ち会いが必要かを事前に確認しておくことです。遺骨の取り出しに立ち会えるかどうかは、気持ちの整理にも関わります。
取り出した遺骨は、土や水分を含んでいることがあります。乾燥や洗浄が必要かどうか、石材店に相談しておくと安心です。
更地の状態をどこまで戻すかは、墓地の規定によって異なります。返還前に管理者の確認を受ける手順があるかも尋ねておきましょう。
工事後は、区画の写真を残しておくと記録になります。返還が済んだ日付も控えておくと、あとの手続きで役立ちます。
ステップ9:新しい供養先へ納骨する
最後に、改葬許可証を添えて新しい供養先へ遺骨を納めます。許可証は納骨のときに提出するため、当日まで大切に保管します。
コツは、当日の持ち物と服装を事前に確認しておくことです。施設によって、必要な書類や進め方が細かく違います。
納骨に合わせて開眼供養や読経を行う場合は、お布施の目安も先に尋ねておきます。宗教儀礼を伴わない供養先もあります。
遺骨を自分で運ぶこと自体は問題ないとされています。移動中は箱をしっかり固定し、車の座席や足元に安定して置きましょう。
納骨が済めば、墓じまいはひと区切りです。手を合わせる場所が新しく決まったことを、親族にも伝えておくと安心されます。
自分で手続きすると墓じまいの費用はいくら変わるか
行政手続きや書類集めを代行会社に依頼すると、代行料として一般に3万〜10万円程度が目安になると言われています。これには、改葬許可申請の書類作成、埋葬証明・受入証明のやり取り、自治体窓口への出向きなどがまとめて含まれます。
自分でこれらを行う場合、実際にかかるのは自治体の手数料(1件あたり0円〜数百円程度)や、郵送でのやり取りにかかる切手代など、わずかな実費だけで済むことが多いと言われています。つまり、書類・手続きの部分を自分で担うだけで、数万円単位の節約につながる可能性があります。ただし、平日に窓口へ出向く時間や、お寺・霊園との連絡調整にかかる手間は増えるため、金額だけでなく、自分の時間をどれだけ使えるかも含めて判断すると、無理のない選び方になります。あわせて、お墓のある自治体に返還時の還付・助成制度がないかも確かめておくと、負担をさらに軽くできることがあります。制度が公式に確認できた自治体は、墓じまいの補助金がある自治体一覧にまとめています。
たとえば代行費用に5万円かかるケースを自分で行えば、その5万円をそのまま改葬先の費用や、閉眼供養のお布施に回すこともできます。逆に、平日に何度も休みを取るのが難しい方や、遠方に住んでいて頻繁に動けない方は、書類集めの一部だけを代行に頼み、残りを自分で行うという中間の進め方も選べます。全部を自分でやるか、全部を任せるかの二択ではなく、負担と節約のバランスを見ながら決めるのが現実的です。
自分でやる墓じまいのつまずきポイント3つ
自分で墓じまいを進める方が、実際によくつまずくポイントは次の3つだと言われています。事前に知っておけば、慌てずに対応しやすくなります。
- 書類の不備で二度手間になる
- 指定石材店制度で相見積もりができない
- 親族への根回し不足でトラブルになる
書類の不備で二度手間になる
改葬許可申請には、埋葬証明書や受入証明書など、複数の書類がそろって初めて受理されることが一般的です。必要書類は自治体によって少しずつ異なるため、確認せずに窓口へ行くと、書類が足りずに出直しになることがあると言われています。事前に自治体のホームページで必要書類の一覧を確認するか、電話で「改葬許可申請に必要なものを教えてほしい」とたずねておくと、二度手間を防ぎやすくなります。
書類はコピーも含めて多めに用意しておくと安心です。窓口までの距離が遠い場合、一度の出直しが数日の遅れにつながることもあります。平日しか対応していない窓口も多いため、必要書類の確認から申請までを、余裕をもったスケジュールで進めておくと落ち着いて対応できます。
指定石材店制度で相見積もりができない
お寺が管理する墓地の中には、そのお寺と契約している特定の石材店以外に工事を依頼できない「指定石材店制度」を設けているところがあります。この場合、費用を抑えるために複数社から相見積もりを取ろうとしても、実際に契約できるのは指定された一社に限られることがあると言われています。制度の有無を知らずに複数社へ問い合わせてしまうと、遠回りになることもあるため、石材店を探す前に、まず墓地の管理者へ「石材店の指定はあるか」を確認しておくとよいでしょう。
親族への根回し不足でトラブルになる
手続きを進めることに集中するあまり、親族への相談が後回しになってしまうことがあります。良かれと思って進めた墓じまいが、あとになって「聞いていなかった」と親族の反発を招くケースもあると言われています。ステップの最初に親族への相談を置いているのはこのためです。決定事項として伝えるのではなく、早い段階で「一緒に考えたい」という姿勢で共有しておくことが、トラブルを防ぐ一番の近道になります。
自分で進めることは、決して無理をすることではありません。できるところは自分の手で、専門的なところはプロに任せる、そのバランスを大切にしていただければと思います。
自分で墓じまいをする際のよくある質問
- 遺骨は自分で運んでもいいですか?
- 改葬許可証をなくしたらどうすればいいですか?
- 閉眼供養のお布施はいくら包めばいいですか?
遺骨は自分で運んでもいいですか?
遺骨を自分で運ぶこと自体は問題ないと言われています。ただし、骨壺が破損しないよう箱にしっかり固定し、車の座席に固定するなど、丁寧に扱うことが大切です。飛行機で運ぶ場合は、航空会社によって手荷物・受託手荷物の扱いが異なるため、事前に確認しておくと安心です。長距離の移動になる場合は、風呂敷などで包み、振動が伝わりにくいようにするとより安心です。
改葬許可証をなくしたらどうすればいいですか?
改葬許可証を紛失した場合は、発行してもらった自治体の窓口に相談すると、再発行に対応してもらえることが多いと言われています。手数料がかかる場合もありますが、金額は自治体によって異なります。改葬先へ納骨する前になくしたことに気づいたときは、早めに窓口へ連絡し、納骨のスケジュールに影響が出ないよう調整しておくと安心です。
閉眼供養のお布施はいくら包めばいいですか?
閉眼供養のお布施は、一般に1万〜5万円程度が目安と言われていますが、決まった金額があるわけではありません。金額に迷うときは、日頃のお付き合いの深さを踏まえつつ、ご住職に「どの程度包む方が多いか」を率直にたずねる方法もあります。表書きは「御布施」とし、白い封筒に包んで渡すのが一般的とされています。